「ホクホク、里芋。」
大地の栄養そのままに豊かな実りの秋。
熊本県菊池市旭志町 熊本どんぐり会
芹川会長、メンバー様
助け合い、高めあう。どんぐり会の合言葉
「どんぐりの背比べのように、みんなで伸びていこう」そんな熱い想いから名付けられた「熊本どんぐり会」。
メンバーのみなさんは、約30年前から化学肥料や農薬に頼らない野菜づくりに取り組んできました。
もともとは、無農薬野菜を学ぶ勉強会からスタートしたという同会。現在は、農薬や化学肥料の使用量を国の規定量の半分以下に抑える”特別栽培野菜”を育て、独自のルートで出荷を行う有志の農業団体です。会長の芹川さんは「当時は無農薬という概念自体があまり知られておらず、本当に売れるのかずいぶん心配しました」と話しますが、現在では全国展開のスーパーマーケットや、大手流通ブランドのプライベートブランド商品として取り扱われるまでに成長。生産が追いつかないほどの人気ぶりです。「特別栽培は、天候や自然環境に大きく左右される農法です。毎年同じ水準の野菜を提供できるようになったのは、何年もかけて試行錯誤してきたからこそ」と誇らしげな笑顔が広がります。
じっくり栄養を蓄えた根菜類の旬は、これから
取材に行った今日は、今年一番の秋晴れ。澄み渡る青空の下、里芋の収穫作業に同行させていただきました。芹川さんは、2Kg近くある里芋を手際よく堀出し、バラバラに離していきます。「機械で掘る人もいますが、うちは、昔ながらの手作業」と芹川さん。「根菜の旬は、10月から冬にかけて。これからどんどん美味しくなりますよ」。里芋を
見つめる目は、子どもを見守る親さながら。愛情をいっぱい注がれた里芋の出荷は、今年も最盛期を迎えます。
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ホクホク、ネットリ。
「新鮮な里芋は、シンプルに食べるのが一番」と会の皆さん。
皮ごとグツグツ茹でて指でツルンと皮をつまめば、ホクホクの実が顔を出します。そのまま塩や醤油をつけて食べれば、
農家名物”つまみ出し”の完成!ネットリと濃厚な食感と味わいは、別格ですよ。 -
自然が教えてくれること
「日照りが続く時は、龍谷ダムの水を引きます」と会員の池田さん。
日本名水百選に選ばれた菊池渓谷もすぐ近くにあり、
水質は、言わずもがな。「葉っぱや茎を見ていると、水が足りて
いるか、元気があるか、作物自身が教えてくれるんですよ」と
達人ならでは、のコメントも。
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変化する時代と農業
同会が無農薬への挑戦を始めたのは、機械や農薬、化学肥料を
使った大規模な農業が日本中で行われるようになったのと
同じ頃。「私たち、時代に逆行していましたね」と笑う会の皆さんで
すが、今では減農薬農法も広く知られるようになり、時代の先
頭を走るトップランナーに。 -
色鮮やかな紅芋も旬
芹川さんの里芋畑の隣には、池田さんの紅芋畑が広がります。
試しに掘り出してもらうと、その色彩は、驚くほど鮮やか。
「うちの畑は、雑草も生やし放題。虫の生態を知っていれば、
むやみに農薬で排除しなくても大丈夫」という言葉にも納得
です。もちろん味も最高の出来栄え!
生産者からのメッセージ
大地の恵みをじっくり蓄えた里芋は、
自然からの貴重な贈り物です。
冷凍ものや水煮とはひと味違う
本物の美味しさをご賞味ください!